外国人労働者に関する初めての本格的な実態調査がありました
令和5年外国人雇用実態調査
先月(令和6年12月26日)、厚生労働省が、「令和5年外国人雇用実態調査」のデータを公表しました。
これは、外国人労働者に関する初めての本格的な実態調査ですので、その状況を簡単にお伝えします。
在留資格区分の属性
この調査では、在留資格区分の属性を次のように分けています。
- 「専門的・技術的分野」 教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、 企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能1号、特定技能2号
- 「技能実習」 技能実習1号、技能実習2号、技能実習3号
- 「留学」 留学
- 「身分に基づくもの」永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
- 「その他」 文化活動、短期滞在、研修、家族滞在、特定活動 「
外国人労働者数
外国人労働者(雇用保険被保険者数5人以上事業所)は約160万人で、産業別にみると、「製造業」が約51万人〔32.0%〕、「サービス業(他に分類されないもの)」が約27万人〔16.9%〕、「卸売業,小売業」が約17万人〔10.7%〕、「建設業」が約12万人〔7.7%〕です。
在留資格別にみると、専門的・技術的分野が約57万人〔35.6%〕、身分に基づくものが49万人〔30.9%〕、技能実習が約36万人〔22.8%〕となっています。
賃金の状況
外国人常用労働者の賃金(決まって支給する現金給与額)は約27万円で、これを「専門的・技術的分野」に限ると約29万円です。
その中で一番高いのは「高度専門職」の約60万円で、「技術・人文知識・国際業務」の約30万円、「特定技能」の約23万円となりました。
「専門的・技術的分野」ではない「技能実習」の約20万円に比べると、「特定技能」は15%程高くなっています。
参考に、同じ厚生労働省による毎月勤労統計(令和6年11月速報値)によると、月間現金給与額(決まって支給する給与)の平均は約29万円で、一般労働者は36万円、パートタイム労働者は約11万円です。
期待と課題
企業が、外国人労働者を雇用する理由をみると、
「労働力不足の解消・緩和のため」が64.8%で最も多く、次いで「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が56.8%、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」が18.5%等の順になっています。
また、課題としては、
「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が44.8%で最も多く、次いで「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」が25.4%、「在留資格によっては在留期間の上限がある」が22.2%、「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」が19.6%となっています。
こうした課題の解決を支援する体制とかサービスが充実すると良いということでしょうね。
ちなみに、この調査の中で日本語の会話能力に関する調査結果もありまして、
「日常的なことなら短い会話に参加できる」が25.3%と最も多く、次いで「幅広い話題について自由に会話できる」が16.4%、「会話の場面に応じた言葉を使うことができる」が13.3%となっており、「日本語で会話はほとんどできない」は2.7%です。
私も、先月から外国人技能実習生とお話をする機会をいただいておりますが、皆さん、来日して間もないにも関わらず、自己紹介を日本語でしてくださいますので、母国におられる時から日本語をしっかり勉強されているんだなと思っています。
入職経路等
入職前居住地が日本以外であった外国人労働者の入職経路をみると、
「出身国・地域の紹介会社・個人」が51.5%と最も多く、次いで「日本国内の紹介会社・個人」が13.5%、「出身国・地域のその他の機関」が12.0%となっています。
また、今の仕事を決めてから日本に入国するまでにかかった期間をみると、
「6か月以上1年未満」が35.1%と最も多く、次いで「3か月以上6か月未満」が22.6%、「1年以上」が 19.4%となっています。
転職による賃金変動
前職の場所が日本国内である外国人労働者の転職による賃金変動状況をみると、
「10%以上30%未満増加」が25.1%と最も多く、次いで「30%以上増加」が21.4%、「変わらない」が20.4%となっています。
ただ、これを「技能実習」に限ると、「10%以上30%未満増加」が21.2%である一方で、「10%以上30%未満減少」も17.7%あるので、気をつけてほしいですね。
以上、この調査の概要をお伝えしました。
詳しくは、
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46975.html
をご覧ください。